ヨーガ哲学八支則/ダーラナー2
ダーラナー(集中)
さて、今回は集中を実践するための内容です。
前回の内容を思い出してみてください。
集中はココロと関係している、
ココロはプラーナ(生命エネルギー)と繋がり、
プラーナはカラダと深く関係している。
これは理解していく時のキーワードになるので頭の片隅に入れておいてください。
では実践とはどういった事をすれば良いのか学んでみましょう!
独居とサドヴィックな食事から始まる
先ず最初にすることは環境を整えるためにヨーギ―たちは、独居生活を心掛けます。
独居というと、ただ単に一人で暮らすことをイメージするかもしれません。
ヨーガでは、独居生活の中で寂しいからと部屋にテレビやラジオ、携帯など、外界の情報と繋がる道具を一切持たない状態を重んじます。
いわゆる内なる声、内観をするために全てを手放すイメージでいてください。
実際に、わたしもアシュラムで修行をする際には携帯の持ち込みは禁止されていたので、ヨーガを学ぶ姿勢には当たり前のことになります。
また無駄な会話も極力避けることなど、規則はとても厳しいものです。
修行を始めたばかりの修行者は、それだけココロをコントロールする力が乏しいので、身につくまではしっかり内観を行うように環境を整えるのです。
絶え間なく集中すること=瞑想が確立すること
これはヨーギ―たちにとっても身につくまでには大変な修行です。
アシュラム以外でヨーガを深める場合には、ここまではできないですよね。
多くの方は家族と暮らしていたり、パートナがいたり、ペットが居たり、便利なアイテムがすぐに手に届く場所にあり、頻繁に連絡や必要になれば会話もたくさんします。
環境を大きく変えずに修行する場合には、いくつかの心構えが必要になります。
今回は実践法として私の日々の取り組みを紹介していきたいと思いますので、参考になればと思います。
わたしたちが日常生活を変えずに集中し瞑想をする場合は、完全なる独居生活と情報から環境を絶つことはほぼ出来ないと思います。
ご自分ができる範囲で参考にしていき、先ずは真摯に向き合ってみてください。
前回も書きましたが、集中をすることが出来るようになるには、
ヴァイラーギャ(離欲・無執着)、アヴィヤーサ(不断の努力精進)
の確立が大切な条件になります。
この二つをクリアできれば、基本的には無理なく集中が続き、自然と瞑想が行えます。
ココロをいかにコントロールをして、いかにブレない日常を過ごせるのかと言うのが大切なポイントになります。
私たちは、僧侶のように完ぺきな環境でヨーガを深めるわけではありませんので、誘惑されることはたくさんあります。
弊害だと感じる事も起きると思います。
諦めずにヴァイラーギャ(離欲・無執着)、アヴィヤーサ(不断の努力精進)のココロをもって取り組んでください。
では実際にヨーギ―達が絶え間ない集中を続け、瞑想を深めるために、行っている日常からの心構えは何か、どういった事を大切にしているのか、というのをリストにしてみます。
集中を高めるリスト
①外界との接触を避ける
②食べ物はサドヴィックを心掛ける
③いつも心を内側に向ける
④ディヤナ・シュローカーを唱える
(祈りに満ちた想い、神の栄光などを謳った詩歌)
⑤マントラ・ジャパ
(与えられたマントラを繰り返し唱える)
⑥決まった時間、場所で集中・瞑想を行う
⑦静かな時間を持つ(沈黙の時間)
上のリストをみると、きっと多くの方が難しい!と悲鳴を上げそうです。
瞑想が深まるのはこの先の話になるので、先ずは無理なくいつでも集中できる体質になること!
これが今回のブログ目標です。
sarada yoshiko が行っている日常からの集中と瞑想について
実際に私が行っている集中するための日々の取り組みを一部紹介します。
※リスト通りに紹介しています
①外界との接触を避ける
まず、人間関係を整理します。
友人とは何か、パートナーとは何か、家族とは何か、仕事はどんな目的で行っているのか。
何よりも自分とは何者か、を知る。
もっとたくさん観るべきものはたくさんありますが、自分と対象との関係が対等なものであるのか、否定や依存が隠れていないかを細かく観察をしてみてください。
知らなかった私と出会うかもしれません。
人と接する環境では特に無欲であることを大切にします。
多くの人はこの身近な関係にとても執着をしています。
本人が気づいていないことも多いので観察をする価値はあります。
独りである時間を持つこと、家族であるけど距離を持つこと、出来るだけ客観的な人間関係を保つようにして意識を内側へ向けます。
心はいつもオープンであり、ハートフルなマインドであり、執着から解放された状態であると、穏やかで平穏のある状態で日常を過ごせることができます。
ココロがいつも優先されたり、執着の強い状態では少しも落ち着かないのは当然のことです。
先ずは自分と今の環境をしっかり観ること、整理整頓できるようにする。
これが今の環境を生きるためのコツだと思いますので、いつも自問自答しています。
自分を知ることは意外と難しいと感じる方が多いので、時間をかけて取り組んでください。
②食べ物はサドヴィックを心掛ける
野菜が多いフレッシュな物を食べること。
ジャンクフードや古い物、外食などは極力食べない、などカラダの健康のために出来る事をします。
外食は必要以上に塩分、油、砂糖など、味が濃いので摂取する時には注意が必要です。
濃い味は味覚を壊すので出来るだけ自然な出汁や野菜そのままの味でも美味しいと感じる舌の教育をしてみてください。
家族がいれば、個々の思い通りの食事内容(ヨーギ―ならベジタリアン、子供が好きなメニューなど)にするのはかなり難しいことですが、バランスの良い食事はカラダの基本です。
私は料理をする時には、みんなが元気になるように祈りながら作ることを一番に考えています。
食事は命を繋ぎ、ココロとカラダを健康にします。
もし食事を疎かにしてしまったら、そのツケは必ずカルマ(行いの結果)として返ってきます。
先天性、遺伝的な病気は例外として、生活習慣病のほとんどはこのカルマです。
カラダのことを大切に思えば、栄養知識に興味を持つようになり、食べたいものばかりではなく、体に良いものをセレクトするようになるはずです。
季節の野菜、季節にあった食事もカラダを健康にすることに繋がります。
食には、食欲という強い欲情も含むため、質素であり、体に負担を掛けない食べ方をすることも大切なことです。
一日で何を食べたのか、必要な栄養素を摂れているのかを考えてバランスを保つようにしています。
完璧でなくてもいいのです。
また、人付き合いでお酒など付き合うシーンもありますが、日常から飲酒と接触する回数を減らす方が無難です。
お酒はバランス、調和を崩し、依存させやすいものと頭に入れておいてください。
※お酒、たばこ、白い砂糖、とても濃い味の料理などは、カラダが依存しやすいので出来るだけ避けます
③いつも心を内側に向ける
人と接すると、色々な情報が入ってきます。
ココロのコントロールができていればが、基本的に感情移入は起きません。
感情が優先される場合は、ココロがありのままに動くという事です。
人と会話をしていても、いつも自分の置くべき安定した状態を観察してください。
気になること、怒りたくなること、あらぬ感情が湧き出そうなときには、なぜ今そう感じるのかを一度自問自答してみましょう。
単純にココロの仕業であることが分かります。
ヨーガの修行で人や情報と距離を持つことを勧める理由にはこういったココロの作用を出来るだけ起こさな為です。
ブレそうになっても自分で平常心にコントロールが出来るならば問題はありません。
あ、今ブレそうになった!と冷静に対処しています。
人と言うのはいかに人の言葉や考え、多くの情報にココロを奪われやすいのか、と言う事を念頭においておけば、情報を得た時にも距離を保つことができます。
ココロのバックグランドをもちましょう!
集中は1%の理論、99%は実践をして行う、これに尽きます。
失敗をしながら実践をする方が、目的に到達する日も早くなります。
進めずにいることの方が得るものはありません。
プライベートヨガに参加をする生徒さんは、この感覚を理解できています。
得た知識と自分自身が実践して学びが深まる経験は多くの生徒さんが感じています。
集中には二種類あり、霊的に行う集中と個人的に行われる集中です。
ヨーガ的集中とは、前者の霊的な集中です。
ちょっと難しい話ですが、、、
例えば画家がひたすら描きたい絵を描くことに数時間も集中している状態、音楽家や小説家がひたすら作品に没頭する時間など、これもいわば集中です。
でも実は私が集中をしている、私の為にという感情も多く含みます。
何の見返りもなく純粋に行われる霊的な集中とはちがうのですが、この理解はまず集中がしっかりできた先に見えてくるものかもしれません。
自分のカラダという意識を完全に手放している状態で行われるのが、
霊的である集中、これこそがヨーガであり深い瞑想へ繋がります。
個人的な基盤が存在している中での集中は、個人のカラダをまだ意識しているので、一般的な集中力となります。
この集中する力も大切なことなので出来た方が良いです。
いつも自分自身が内側に意識を向けて、ただ観ることで、この霊的なステップに進むことができます。
霊感をもった集中力を言葉で説明するには限界があります。
この理解をするには、様々なアプローチでヨーガを学ぶ必要がありますので、今は頭の片隅に入れてください。
④ディヤナ・シュローカーを唱える
このマントラは、YouTube動画でも紹介していますので実際に観てもらえるほうがわかると思います。
ディヤナ・シュローカーとは、祈りに満ちた想い、神の栄光などを謳った詩歌です。
歌う時は一人一人神様の姿をイメージして心を込めて謳いますが、本当に心が穏やかになります。
マントラとはそういった力をもっているのです。
音はココロを集中させてくれますので、このマントラを唱えるというのは非常に効果のある方法です。
濁りだしそうなココロが澄んで流れていくような感覚は、体験しない事には説明のしようがないほど心地よいものです。
聴くだけでももちろん効果はありますし、実際に声を出してみると感覚でつかめる事もあるので、もし動画で一緒に唱えてみたくなったら声にだして、真似てみてください。
⑤マントラ・ジャパ
わたしの持つマントラはサラスヴァティーのマントラです。
「オーム・アイム・サラズワティーイエ・ナマハ」
発音がちょっと難しいのですが、108回マントラでも、瞑想でも必ず唱えています。
この神様は芸術・知識・学問の神様で、特に芸術という部分で自然と繋がりました。
sarada(シャラダ)はこの女神の別名。
インドの師から与えられたスピリチュアルネームです。
女神のイニシエーションを受ける時に、いつもこのマントラを唱え、そしてココロに神の姿があるように、というのが教えでした。
スタジオの名前もこの神様から頂き、スタジオ内にも絵を飾っています。
自分と一番近いマントラがサラスワティーのマントラです。
もし自分のマントラがない人は「オーム」のマントラで練習するのがおススメです。
ココロを整えてくれる響きなので自分で発音ができるようになると、もっと効果も大きいと思います。
ぜひ練習をしてみてください。
⑥決まった時間、場所で集中・瞑想を行う
いつも同じ場所で出来るだけ決まった時間に集中と瞑想を行います。
わたしの瞑想場所は、スタジオ内にある祭壇です。
瞑想を行う空間では一切、生活を持ち込んでいないので、多くの人から澄んだエネルギーを感じる、落ち着くなどと、スタジオないの雰囲気を言われます。
人が寝起きをしたり、食事をしたり、生活の場となる場所には、どうしても雑念の原因になったり、集中し難い環境になることが多いです。
もし可能ならば瞑想部屋があると一番おススメですが、一般家庭ではなかなか難しいと思います。
そんな時には、瞑想の為に向き合う小さな空間を用意してみてください。
例えば小さな机(ミカン箱でもいいい)にロウソクやお香を置き、出来るだけ一人きりになれる時間で行います。
特別な空間があるだけでも気持ちは集中することに向かうのでおススメです。
わたしは夜、寝る前の時間に行います。
※瞑想には朝の4時~6時がとても良い時間です
理想は朝方ではありますが、今はこのタイミングでの時間で、毎日行い瞑想時間はだいたい5~10分。
長くて30分くらいです。
時間にこだわるというよりは、毎日の瞑想習慣、メンテナンスとして心から向き合う姿勢が大切です。
瞑想を行った日は、翌日は爽快ですが、瞑想が出来なかった日は、なんだか重い感じがするので、、、やはり毎日の習慣というのはとても大きい効果だと思います。
最近、生徒さんの中にも毎日、瞑想習慣をもつ人が増えてきました。
きっとこの瞑想の効果を感じているのだと思います。
忙しい人ほど、私は集中すること、瞑想をおススメします。
今回の実践では、ざっと紹介しているのでもっと話すことはたくさんあります。
ただ、内容があまりに膨大になり過ぎてしまうので、この辺で終わりにしたいと思います。
瞑想や集中力を高めたい方は多いけど、、、なかなか実践できていない方はブログを参考にしていただけると嬉しいです。
なぜ集中が難しいのか、、その糸口がつかめるだけでもきっと違います。
スタジオに通う生徒さんにも、瞑想や集中することの手助けになれば幸いです。
続けることに意味があるので、あきらめないで実践し続けてください!
道が開ける日がきます!
次回はいよいよ瞑想です!
ヨーガ哲学の学びから健康に!
ココロもカラダも元気にして、ごきげんな人生を歩めるようにしましょう♪
sarada yoshiko
💡《この記事のまとめ》
・ヨーガ哲学 ヤマ・ニヤマ
・ダーラナ―(集中)
・気持ちを引き締める
・多くのことを学び、ヨーガにも落とし込む
・とにかく諦めないで進む!
・あなたのペースを大切に
・sarada yoshikoと楽しく学ぶ
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